Written by ラシュミ / Suitable for learners at JLPT N4 level and above
✅人にかまいにくい世の中
「あっ、バスだ! でも行っちゃう……あぁ、どうしよう、走るしかない!」
「頑張れー、走れー!」と心の中で思った。
でも——必死に走ったのに、バスは行ってしまった。
「あぁ、悔しい……!」
怒りと悔しさでいっぱいになる。次のバスは……2時間後? いや、3時間後か……。
そんな光景を、私は車の中から見ていた。彼女の悔しさが痛いほど分かった。バス停まで行って、彼女を乗せてあげたかった。帰り道は同じだし、周りには何もない。ただ真っすぐ続く道があるだけ。でも、私は通り過ぎた。息子と一緒に車に乗っていたし——もし彼女を車に乗せて、何かあったら……。そう考えると、声をかけるのが怖くなって、そのまま家へ向かった。
◆ふと、27年前のことを思い出した。私も大学生のとき、彼女と同じだった。
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to Nihongo Storytime to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.